夕飯を作りながら、話題のビジネス書を聴いていました。
火加減を見て、味見をして。
「次は味噌汁を作って、その間に炒め物をして……」
頭の中では、次の段取りを考えています。
しばらくして、ふと気づきました。
「あれ? さっきから何の話を聴いてたんだっけ?」
気づけば、1章が終わっていました。
オーディブルで本を聴いていたはずなのに、内容がほとんど残っていません。
「私、オーディブルが向いてないのかな」
最初はそう思いました。
でも、不思議なことに、同じ家事でも洗い物をしながら聴いたときは、ちゃんと内容が入ってくるんです。
料理をしながらだと、頭に入らない。
洗い物をしながらだと、頭に入る。
この違いは何なんだろう。
老眼で夕方の文字がにじむようになって、私は耳の読書に切り替えました。
オーディブルを聴き始めて2年半、1年間で150冊以上聴いてきた今なら分かります。
オーディブルが頭に入らない理由は、ひとつではありません。
頭の忙しさ、本の選び方、再生速度、声、周りの環境が重なると、内容は抜けやすくなります。
私の場合は、何も考えなくても体が動く時間を選ぶことが、いちばん大きな分かれ目でした。
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まず確認したい、頭に入らない5つの原因
| よくある原因 | 最初に試すこと |
|---|---|
| 頭の中で別の判断をしている | 聴く場面を変える |
| 本が音声だけでは追いにくい | 小説やエッセイに替える |
| 再生速度が合っていない | 少し上げるか、下げる |
| ナレーターの声が合わない | サンプルを聴いて別の作品へ |
| 周りの音や疲れで散る | 静かな場面・疲れていない時間にする |


頭に入らないのは私だけ?
先に打ち明けておきます。
150冊以上聴いてきた私でも、内容をほとんど思い出せない本はあります。
「この本、何の話だったっけ?」
となることもあります。
でも、これはオーディブルに限った話ではありません。
紙の本でも、読んだ直後なのに内容を思い出せないことがあります。
何ページも読んだのに、
「結局、何が書いてあったんだっけ?」
となる。
私は何度も経験しています。
これは、理解力や記憶力のせいとは限りません。
聴いていたときに、何をしていたか。
私の場合は、そこに原因がありました。
「オーディブルを聴いても頭に入らないらしい」と聞いて不安な方も、始める前から諦めなくて大丈夫です。
同じ家事なのに、頭に入るときと入らないときがある

以前、オーディブルの口コミを検証した記事で、
「料理しながらビジネス書は頭に入らなかった」
と書きました。

あれ、料理のせいだと思ってた……。
私も最初は、料理をしながら聴くのが向いていないのだと思っていました。
でも、洗い物をしながら聴くと、ちゃんと内容が入ります。
「あれ? 同じ家事なのに、なぜ?」
そこで、料理中の自分をよく考えてみました。
火加減を見て、味見をして、
「次は味噌汁を作ろう」
「その間に炒め物をしよう」
「そろそろ火を弱めよう」
と、頭の中でずっと次のことを考えています。
耳では本を聴いていても、頭の中では別の作業をしている。
これでは、内容が頭に入らなくても不思議ではありません。
一方、洗い物は、何も考えなくても手が動きます。
スポンジに洗剤をつけて、洗って、すすいで、置く。
その繰り返しです。
だから、耳で聴いた内容が入ってくる余裕があります。
私の場合、違いは「料理か洗い物か」ではありませんでした。
頭の中で、別のことを考えているかどうか。
ここが大きかったんです。
| 場面 | 頭に入る? | 理由 |
|---|---|---|
| 料理 | 入りにくい | 段取りを考えながら手を動かすから |
| 洗い物 | 入る | 何も考えなくても手が動く作業だから |
| 掃除機 | イヤホン次第 | 音が大きく、聴こえにくくなりやすい |
| 車の運転 | いつもの道なら入りやすい | 知らない道は道順を考えてしまう |
掃除機は音が大きいので、音声が聴こえにくくなりやすいです。
車も、私のお気に入りの場所です。
イヤホンはつけず、Bluetoothでカーオーディオにつないで聴いています。
走り出す前に再生を始めておけば、運転中にスマホを触ることもありません。
いつもの道なら、内容もちゃんと入ってきます。
ただ、知らない道になると、
「次の信号を右……」
と道順を考えてしまって、入らなくなります。
私は運転が苦手なので、なおさらです。
もちろん、運転中は安全が最優先。ながら聴きが気を散らすようなら、やめてください。
このことに気づいてからは、聴いている間はなるべく考え事をしないように意識しています。
聴くのは、何も考えなくても体が動くとき。
これを意識して、いつもの一日を思い浮かべてみてください。
考えごとをしながらやっている時は、たぶん頭に入りにくい。
逆に、体が勝手に動いてくれることは、聴きどきです。
「目でも読めばいい」が使えない人へ

「頭に入らないなら、紙やKindleと一緒に読めばいい」
ネットで対策を調べると、こういう方法をよく見かけます。
たしかに、目と耳の両方で追えば、内容は記憶に残りやすいのかもしれません。
でも、そもそも目がつらいからAudibleを始めた人にとって、
「目でも読めば」は何の解決にもなっていない。

目で読めないから聴いてるのに。
私も老眼が進んできて、夕方になると文字がぼやけます。
老眼鏡をかけるほどでもないけれど、以前のようには読めない。
だから目を使わない「聴く読書」を選んだのに、「目でも読め」は使えませんでした。
併読しなくても、頭に入る方法はあります。
聴く時を選ぶ:何も考えなくても体が動くときに聴く
本を選び直す:図表の多いビジネス書や専門書より、物語のある本から始める
ナレーターを替える:声が合わないと感じたら、別の作品を試す
図表がどうしても必要なときは、Audibleの付属資料のPDFが使える作品もあります。
ただ、付属資料がつくかどうかは作品によって違います。
PDFを開いたことはあるのですが、スマホだと画面が小さくて見にくい。
拡大すると、今度は全体がつかめません。
PCのブラウザなら別ウィンドウで開けるので、そちらのほうが見やすいです。
ただ、聴くたびにパソコンを開くのも面倒ですよね。
ナレーターについては、私はデジタルボイス(機械音声)が苦手です。
そのため、聴く前にナレーターの名前を確認するようにしています。
目を使わなくても、聴く時と本を選べば、ちゃんと楽しめます。
私が頭に残すためにやっている3つのこと

① 1.7倍でざっと聴いて、1.2倍で聴き直す
ふだんは1.7倍速で聴いています。
でも、頭に入れたい本は速度を落とします。
自己啓発やビジネス書は、まず1.7倍速で全体をざっと聴きます。
1回目から全部を理解しようとするのではなく、
「この本は、こういう話なんだな」
と全体像をつかむ感じです。
そのあと、1.2倍速で聴き直します。
2周目は、
「あ、ここが大事だったんだ」
「この話は、ここにつながっていたのか」
と分かるので、記憶への残り方がまるで違います。
速く聴けば頭に入るわけではありません。
大事な本は、速度を落として聴き直す。
これが、私にはいちばん効果がありました。
② 本当に記憶に残したいなら、手を動かす
記憶に残したいなら、メモを取るのも効果があります。
Audibleにはクリップ機能があります。
気になった箇所を30秒単位で保存でき、「メモを追加」でテキストも書き込めます。
期待して使ってみたのですが、メモ帳の代わりにはなりませんでした。
どちらかというと、栞に近いです。
「あとでもう一度ここを聴きたい」
という場所に印をつけておく道具。
私はそう感じました。
結局、内容を残したいときは、手で書くのがいちばんでした。
聴きながら止めて、書く。
手間はかかります。
でも、実際に手を動かすと、内容が記憶に残りやすくなります。
③ 「あとで誰かに話そう」と思って聴く
これがいちばん簡単で、いちばん記憶に残ります。
「ここ、あとで話そう」
と思いながら聴くと、その部分だけはっきり覚えているんです。
話すつもりで聴いているから、聴き方そのものが変わるのだと思います。
そして実際に話してしまえば、もう忘れません。
相手は家族でも友人でも、誰でもかまいません。
聴く前に、
「今日は誰かに話すつもりで聴こう」
と決めておくだけでも、記憶の残り方が変わります。
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頭に入らない日は、オーディブルが意味ないのでしょうか

聴く時を選んでも、本を選んでも、何をしても頭に入らない日があります。
そういう日に無理やり、
「頭に入れよう」
とすると、余計につらくなるだけでした。
いちばんひどかったのは、仕事でへこんだ時期です。
家に帰ってからも、同じことをぐるぐる考えてしまう。
何もしないでいると、マイナスなことばかり浮かんできました。
そんなとき、内容を覚えるためにオーディブルを聴いていたわけではありません。
ただ、集中して聴いてみました。
頭に入ったかどうかは、正直よく分かりません。
でも、嫌なことを考える時間は、確実に減りました。
「入れるため」ではなく、「考えないため」に聴く。
そういう聴き方があるのだと、このとき知りました。
それが感動する小説だったりすると、心が少し和らぐ感じもしました。
とくにおすすめなのが、泣きたいのに泣けない日に、泣ける本を聴くこと。
疲れていると、涙も出てこないときがあります。
そんな日に、物語のなかの誰かが泣いていると、つられて涙が出てきます。
ひとしきり泣いたあとは、不思議と心が少し軽くなっています。
頭に入らなくても、聴く意味はあります。
もちろん、気持ちが沈む日が続くときは、無理をせず、信頼できる人や専門家に話を聞いてもらうのも大切です。
無料体験の始め方と解約手順をまとめた記事もあるので、30日間ノーリスクで確かめてみてください。
よくある質問
Q:オーディブルは意味ないんでしょうか?
頭に入らなかった日があるからといって、オーディブルが意味ないわけではありません。
聴く場面や本を替えると、内容が入りやすくなることがあります。
Q:何倍速で聴くのが一番頭に入りますか?
私は1.7倍でざっと聴いて、1.2倍で聴き直しています。
速度を上げると頭に入りにくくなる感覚があるので、大事な本ほど速度を落としています。
ただし、最適な速度は人によって違います。
「速ければ効率がいい」と考えすぎず、自分が無理なく内容を追える速度を探すのがおすすめです。
Q:どんな本から始めればいいですか?
物語のある本が頭に入りやすいです。
小説やエッセイなら、耳だけでも場面が浮かびやすい。
図表の多い本や専門書は、慣れてからのほうが無理がありません。
最初から難しい本を選んで、
「やっぱりオーディブルは頭に入らない」
となるより、まずは自分が楽しめる本から始めるほうが続けやすいと思います。
もうひとつ、私に効いたやり方があります。
アニメで観たことのある作品を選ぶことです。
声がもう頭の中にあるので、文字を声に変換する手間がいりません。Audibleで聴く『転スラ』はアニメと同じ岡咲美保さんが朗読していて、すっと入ってきました。
Q:集中できないときは、どうすればいいですか?
まず、
「今、自分は何を考えているんだろう?」
と確認してみてください。
段取り、予定、心配ごと。
何かしら頭の中で別のことを考えていることがあります。
その考えごとが止まる場面を探すのが、近道です。
料理ではなく洗い物。
知らない道ではなく、いつもの道。
自分が何も考えずにできる時間を探してみてください。
Q:ほかにデメリットはありますか?
この記事では「頭に入らない」に絞りましたが、料金やナレーター、解約のしやすさなど、気になる点はほかにもあります。
150冊聴いた私がオーディブルの口コミを検証した記事で、よくある評判をひとつずつ確かめています。
正直に言うと、向いていない人もいます
ここまで聴き方の工夫を書いてきましたが、それでもオーディブルが合わない人はいます。
・本に線を引いたり、書き込みながら読みたい人
・図表の多い専門書を読みたい人
・音声そのものが苦手な人
こういう方には、紙の本やKindleのほうが合っています。
無理にオーディブルにこだわる必要はありません。自分に合う読み方を選ぶのがいちばんです。
まとめ:頭に入らないなら、聴き方を変えてみる
オーディブルを150冊以上聴いてきて分かったのは、
「頭に入らない=オーディブルが向いていない」ではないということです。
・料理のように、頭の中で段取りを考える作業は頭に入りにくい
・洗い物のように、何も考えずにできる作業は頭に入りやすい
・目と耳を同時に使わなくても、聴く本と場面を選べば大丈夫
・本当に記憶に残したい内容は、速度を落としたり、メモをしたり、誰かに話したりする
・何も頭に入らない日でも、「考えないために聴く」という使い方がある
そして、150冊聴いてきた私でも、全部の内容を覚えているわけではありません。
最初から、すべてを記憶しようとしなくて大丈夫です。
まずは、
「この時間なら聴けそう」という場面を見つけてみる。
「あ、今の話は頭に入ったな」
「これは全然入らないな」と、自分で確かめてみる。
それだけでも十分です。
なお、Audibleの無料体験は30日間。プレミアムプランは月1,500円で聴き放題、スタンダードプランは月880円で毎月1冊選べます。登録はブラウザから行ってください。
オーディブルが自分に合うかどうかは、実際に聴いてみないと分かりません。
まずは1冊。
洗い物をしているときにでも、試してみてください。
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